モンテッソーリ教育の考え方

モンテッソーリ教育は、子どもの「自分自身を育てていく力」を最大限伸ばしていく事を最大の理念としています。
理念に共通するキーワードは「自発的」
例えば、子どもがパズルで遊んでいるときに「このパズルはここに置くんだよ」と答えてしまうのはNGとしています。
「このパズルは森の模様だね。他に森のパズルピースはあるかな?」などと、あくまでもヒントを与える程度で、直接的な答えは示唆しないのがモンテッソーリ教育です。
また、モンテッソーリ教育の特徴として、クラス割りが従来の「学年ごと」で区切られている訳ではないという部分もあげられます。
子どもたちは「縦割り」と呼ばれるバラバラの学年の子どもが混在するクラスに属しており、「先輩を見て学ぶ」「後輩に信頼されるように教える」といった人間関係の構築を早い段階から経験していく事も非常に重要だとしています。
教師の心得12か条

モンテッソーリ教育が大切にしている理念は、上述の考え方をまとめた「教師の心得12か条」として知られています。
<教師の心得12か条>
1.環境に心を配りなさい。
2.教具や物の取り扱い方を明快に正確に示しなさい。
3.子どもが環境との交流を持ち始めるまでは積極的に、交流が始まったら消極的になりなさい。
4.探し物をしている子どもや、助けの必要な子どもの努力を見逃さないよう、子どもを観察しなさい。
5.呼ばれたところへは駆け寄り、交歓しなさい。
6.招かれたら、耳を傾け、よく聞いてあげなさい。
7.子どもの仕事を尊重しなさい。質問したり、中断したりしないように。
8.子どもの間違いを直接的に訂正しないように。
9.休息している子どもや他人の仕事を見ている子どもを尊重しなさい。仕事を無理強いしないように。
10.仕事を拒否する子ども、理解しない子ども、間違っている子どもは、たゆまず仕事への誘いかけを続けなさい。
11.教師を探し求める子どもには、そばにいることを感じさせ、感づいている子どもには隠れるようにしなさい。
12.仕事がすんで、快く力を出し切った子どもを静かに認めながら現れなさい。
おそらくこの12か条を見て、日本の幼稚園で行われている教育のイメージとは少し異なった理念だと感じたのではないでしょうか。
あくまでも「直接的な否定」や「やりたくない時の強要」は避け、子どもが乗り気でないときは無理やり仕事をさせないのです。
子どもを引っ張っていくというよりも、子どもの「サポート役」にまわっていくのがモンテッソーリ教育の理念なのです。
まとめ

以上、モンテッソーリ教育の理念について紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
子どもの「自分自身を育てていく力」を最大限伸ばしていく事を最大の理念としているモンテッソーリ教育。
大人が子どもに指示をするのではなく、子どもが能動的にしようとしていることをサポートする。この考え方は、子どもだけではなく社会人になってからも大切な考え方なのかもしれませんね。
続いては「現代におけるモンテッソーリ教育」です。Lesson1の最後の締めくくりとして、しっかりと理解して行きましょう。