現代に受け継がれるモンテッソーリ教育

1952年にオランダで亡くなったモンテッソーリですが、
その教育法は「子どもを一個人の人格的な存在」として取り扱い、
個人の才能を引き出す非常に優れた学習方法として、現代に至るまで広く
実践で取り入れられています。
戦後は平和教育へと移行した事から「ノーベル平和賞」に三度ノミネートされるなどの功績を重ねたモンテッソーリの残したメソッドは、
100年がたった現在でも世界中で高い評価が得られているのです。
その後、“幼児に対してモンテッソーリ教育を実践する施設”のことを、
この最初の子どもの家にちなんで、世界中で「子どもの家」と名付けるようになったと考えられます。
そして昨今、このモンテッソーリ教育で身につくとされている
「非認知能力」が、非常に重要な時代になってきているのです。
「認知能力」から「非認知能力」が大切な時代へ

2020年度から変更された初等・中等学習指導要領では、
「学びに向かう力、人間性等」という新たな柱が重要視されています。
テストだけでは測ることのできない能力、
言い換えれば「数値化」が難しい能力こそ、モンテッソーリ教育で
育むことのできる「自分で考えて行動する力」であり、
現代に求められている大切な能力の一つとなっているのです。
単純な暗記テストや50m走などの結果が見える「認知能力」とは異なり、
「非認知能力」はいわゆる「頭の回転が早い」や「空気が読める」
といった部分を担っている能力です。
それでは、実際に日本でモンテッソーリ教育を受けられる施設について、
学んでいきましょう。
モンテッソーリ教育を受けられる施設

実は、日本の幼稚園や保育園にはモンテッソーリ教育を受けられる場所がたくさんあります。東京23区だけでも、20を超える施設が存在しており、多くの子どもたちがモンテッソーリ教育を受けています。
その一方で、小学校ではモンテッソーリ教育を受けられる場所がかなり限られています。
日本では、「ザ・モンテッソーリ・スクール・オブ・トウキョウ」「マリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクール」「東京モンテッソーリスクール」の3校のみがモンテッソーリ教育を扱っている小学校となっています。
これらの学校では「たくさんの課外授業」や「午前中は時間割がなく、自分で考える時間」など、野外でたくさんの情報や経験と触れ合ったり、教えてもらうだけではなく自ら考えて行動したりといった時間が重んじられています。
また、「宿題」や「テスト」など、一般的な小学校で行われている定例の事も基本的にはありません。自分で考えその場で理解をする、という事に重きが置かれています。
「ザ・モンテッソーリ・スクール・オブ・トウキョウ」は2歳から14歳までが通う、実質中学校の役割をも兼ね備えている学校です。高等部の開設も、近い将来に見込んでいるとのことです。
まとめ

子どもを一個人の人格的な存在として取り扱うモンテッソーリ教育は、現代でも幼稚園や保育園を中心に多くの施設で取り入れられています。
2020年度から学習指導要領でも大切にされている「学びに向かう力、人間性等」を学ぶことができるモンテッソーリ教育は、現代においても子どもの成長に重要な役割を担っています。
以上で、Lesson1-1からLesson1-5までは修了となります。モンテッソーリの歴史を中心に学んできたセクションでしたが、いかがだったでしょうか。
ぜひ何度も読み直して、モンテッソーリの歴史やエッセンスを自分のものにしていきましょう!