Lesson2-1 子どもの特徴・特性

Lesson1では、モンテッソーリ教育が生まれた背景から、現代におけるモンテッソーリ教育までの歴史を学んできました。

Lesson2では、「子どもとは?」というテーマのもと、子どもの特徴や特性について学習していきたいと思います。

子どもは熱心な探求家

モンテッソーリ教育を理解するにあたっては、「子どもとはどのような存在なのか、どのように情報を吸収していくのか」という部分を理解することは欠かせない要素です。

はじめに、生まれたての子どもは、自分では何もすることができません。

しかしながら、ここには大きな2つの見方があります。

「何もできないのだから、大人が教えてあげなければならない」と考えるのではなく、「子どもは生まれつき成長する能力を持っており、大人はうまくその能力を引き出してあげる存在」と捉えることが大事だとモンテッソーリは考えました。

子どもは生まれた瞬間から身の回りで起こる全てのことを吸収し、持って生まれた能力を次々に会得していく探検家なのです。

大人は先回りしない

モンテッソーリは、「子どもには一定の自由が必要である」と強く述べています。

無理に何かをさせること、学びを強いることは必ずしも正解ではなく、何もしていない一見無気力に見える時間ですらも、意味があると考えているのです。

例えば、幼稚園のなかで周りの園児が砂遊びをしたり鬼ごっこをしている時に一人でぼーっとその光景を見ている子どもがいたとします。

その子どもは一見、周りに溶け込めておらずぐうたらしているように見えるのですが、見方を変えれば「他の子どもたちの動きを見て、何かを学んでいる」「さっきまで遊んでいたブロックの組み立て方を頭の中で考えている」のかもしれません。

これらは可能性に満ちた時間であり、必ずしも何かを強要することがプラスになるとは限らないのです。

自由から生まれる責任

大人は先回りして子どもの時間を決めるのではなく、あくまでも子どもの主体性を生かすように見守ることが大切です。

自由であることは、それ自体が「責任感」を育てる良いきっかけとなります。

「誰の助けも得ずに何かを行なった」ということは、裏を返せば「自分がしたことの責任は自分が全て持っている」という事です。

大人が指示をしてしまうと、間違えたのは人に言われたことをしたせいだ、と人のせいにしてしまう可能性があります。

自由から生まれる責任感を覚えさせてあげることも、大人の立派な役目なのです。

「自己教育力」を育てるモンテッソーリ

モンテッソーリ教育の前提は「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」です。

大人が歩くことを教えなくても自分から歩こうとしたりする姿は、子ども自身が自立に向かって、成長・発達していこうとする姿の特徴といえます。

自分の内側に存在する力が存分に発揮できる環境のなかで、子どもは自発的に活動を繰り返しながら成長していくのです。

続いてのLessonでは、子どもに訪れる「敏感期」についてしっかりと学んでいきましょう!