前回のLessonでは、子どもの権利条約について見ていきました。
今回のLessonでは、具体的な「子どもの権利」とは何なのかと言う部分について深堀りして学んでいきたいと思います。
子どもの権利は、大きく4つに分類され保障されています。
それぞれの権利と特徴について見ていきましょう。
この章では、4つの権利のうち「生きる権利」「育つ権利」について紹介させていただきます。
生きる権利

生きる権利とは、人間らしく生きていくための保健的な生活水準が守られている権利です。
子どもの命が守られ、平和と安全の下に暮らすようにできる事を目的としているこの権利は、
「愛情をもって育まれる」といった育て方に関する方針も規定しています。
また、「いじめ、虐待、体罰などから心や体が守られる」 といった集団生活の中で守られるべき権利も保障されています。
他にも、「あらゆる差別及び不当な不利益を受けない」といった、多くの領域をカバーする内容となっています。
健康に生まれ、防げる病気などで命をうばわれないこと、また病気やケガをしたら治療を受けられることも立派な生きる権利です。
身体的に成熟しておらず様々なリスクが存在している世界の中で、全ての子どもの命は権利によって守られなければなりません。
生きる権利は4つの権利のうち、最も基本的な部分を保障している権利になります。
育つ権利

育つ権利とは、自分の名前や国籍を持ち、家族と共同生活を行い成長できる権利です。
共同生活を行うだけでなくきちんと義務教育を受け、休んだり遊んだりできること、また考えや信じることの自由が守られ、一人ひとりが自分らしく育つことができることを含んでいます。
たくさんの可能性を秘めている子どもが、阻害を受けずに成長していくことを保障している権利なのです。
元気に学び、遊び、休息することや健康的な生活を送ることに加えて、
自分に関係することを、年齢や成長に応じて適切な助言等の支援を受け、
自分で決めることができるように保障されています。
実はこれらの権利は、地方自治体などで明確に条例化されることで守られている側面もあります。
自治体では「条例」として子どもの権利が守られている

「子どもの権利に関する条例」が制定されている自治体はいくつかありますが、例えば北海道奈井江町では、条例とともに救済委員会などの窓口まで整えられており、町全体としての取り組み姿勢の高さが伺えます。
他にも西東京市や青森市など、多くの団体で独自の条例が作られていますが、共通しているベースは子どもの権利条約です。
「日本」が採択した権利条約であるからこそ、自治体も進んで権利を守るための取り組みを行っているんですね。
それでは、残りの二つの権利「守られる権利」「参加する権利」については、次のLessonで見ていきましょう。