前回のLessonまでで紹介させていただいた「子どもの権利条約」の他にも、子どもの権利をあらゆる側面から保障する法律はいくつか存在しています。
「子どもの権利」をより深く理解するために、これらの法律についても学習していきましょう。
子ども売買、子ども買春及び子どもポルノに関する子どもの権利に関する条約の選択議定書

2000年に国連総会で採択されたこちらの議定書は、子どもを人身売買したり、性的に搾取することを禁止し、取締りや処罰を強化するように定めています。
現代社会はインターネットの普及によって
「児童ポルノ」の入手が更に容易になっていることを懸念し、
対策するような内容が書かれています。
具体的には児童ポルノを製造し、配布し、輸出し、送信し、輸入し、意図的に保有、及び宣伝することを
全世界において「犯罪」とすることを求めるという同会議の結論を想起しています。
これらの内容が行われた際に、国ごとに一定の内容を定めて「処罰」することが求められています。
武力紛争における子どもの関与に関する子どもの権利に関する条約の選択議定書

「子ども兵士」など、武力紛争に巻き込まれる子どもを守るため、18歳未満の兵士を禁止しています。
2000年に国連総会で採択され、日本は2004年に批准しました。
世界中で行われている「武力紛争」が児童に及ぼす有害な影響が非常に大きいことから、これらを排除するために定められた議定書です。
具体的には武力紛争の状況において「児童を標的とすること」や
「学校、病院等一般的に多数の児童が存在する場所その他の国際法に基づいて保護されている対象を直接攻撃すること」が糾弾される内容となっています。
通報制度に関する選択議定書

これまでの議定書とは少し内容が異なり、「子どもの権利に関する条約に定められた子どもの権利が侵害された場合」に直接国連へ通報ができる制度を定めている議定書です。
国連に訴える制度は「個人通報制度」と呼ばれており、
基本的にはその国で起きた人権侵害は国内のルールで解決しなければならないものの、
どうしても人権侵害が回復されない場合には、
そのことを規約によって作られた委員会に通報して審査してもらうことができるという制度になっています。
NPO 法人全国こども福祉センター

他にも、「全国こども福祉センター」という子どもの権利を守るための施設があります。
名古屋などを中心とした駅近辺の街頭で、
10 代~20 代前半の子ども若者が同世代に声掛けをするフィールドワークや、
オンラインでの子ども相談など、支援機関を利用しない子どもへの働きかけを実践しています。
また、子どもが抱える虐待や家出、ひきこもりなどの問題があったときには、子ども自身の自発性を尊重してどうしたいかを優先し活動している団体です。
また日本国内においては「子どもの人権110番」という独自の制度がありますので、次の章ではそのことについて学んでいきましょう。