前回のLesson3を通して、子どもの権利についての知識が身についたと思います。
今回のLesson4では、赤ちゃんから大人になるまでに区分を分けて訪れる「発達の4段階」について見ていきたいと思います。
このLessonでは、発達の4段階がそもそも何を指しているのか、どういったものなのかという部分について見ていきましょう。
子どもは大きく変化する

子育てを行なっていく中で、
「子どもが暴れまわってなかなか手がつけられない時期」と、
「比較的落ちついている時期」について認識することは非常に大切です。
モンテッソーリの前の時代においては、「子どもは、体が大きくなるにつれてなだらかに心や考え方も成長していくものである」と考えられてしまいがちでした。
しかしながらモンテッソーリは、「子どもの中身は年齢ごとに大きく変容していく」と捉え、
青虫がサナギになり、蝶になるような変化の過程を辿っているのだ、と主張しています。
そして、その変化を「子どもの発達の4段階」として分類しています。
一体、どのような分類で4つの段階になっているのでしょうか。
発達の4段階の種類

モンテッソーリの分類では、発達は以下4つの時期に分かれています。
- 「幼年期」
- 「児童期」
- 「思春期」
- 「青年期」
多少の個人差はありますが、それぞれの発達段階の期間は「6年間」です。
つまり、0歳〜6歳が幼年期、6歳〜12歳が児童期、12歳〜18歳が思春期、18歳〜24歳が青年期とされています。
もう少し言えば、各期は3年ごとに前期と後期で別れており、
前期で経験したことが、後期に実になると考えられています。
子どもの発達は決して瞬間の学びを切り取ってできる「ぶつ切り」ではなく、長い流れの中で連続して起こっていくのです。
子どもと接している「今」の時期だけを切り取って子どもの成長を見るのではなく、人間として発達を遂げる長いプロセスを認識した上で、今の発達を捉えることが大切なのです。
幼年期と思春期は敏感な「変容期」

この発達の4段階においては、情緒的に「安定している期」と「不安定な期」が交互に訪れるとされています。
この4つの段階の中でも「幼年期」と「思春期」の2つは非常に精神面での変化が激しく、成長に関して親が気を使わなければならない時期とされています。
「思春期」は中学生〜高校生がなるもの、となんとなく世間で認識されている言葉ですが、実はきちんとしたメカニズムのもとに「敏感になりやすい時期」という分類があったのです。
皆さんも自分の人生の中で「精神的に不安定だった時代」をなんとなく覚えているのではないでしょうか。
この「変容期」と呼ばれる時代にどのように子どもと関わっていくか、
なぜ「反抗期」「イヤイヤ期」が起きてしまうのか、などのメカニズムを知ることが、
モンテッソーリ教育を理解する上でも非常に大切となってきます。
それでは、各期の特徴や起こる変化などについては、次のLessonから見ていくことにしましょう。