前回のLessonでは、発達の4段階とはどういったものなのかという事についてご紹介いたしました。
今回のLessonでは、4段階の最初に訪れる「幼年期」について見ていきましょう。
幼年期で人生に必要な力の80%が備わる

その昔、生まれてから小学校に上がるまでの6年間では、「子どもは何もできないのだから、親が言う通りにしていれば良いのではないか」と言う考え方が一般的でした。
しかしながらモンテッソーリは幼年期を「人間が生涯生きていくために必要な力の約80%が、この時期で身につく」とまで重要な時期と位置付けています。
生まれてから新しい世界に触れて全てを吸収し、順応し、運動ができるようになり自分で物事を考えられるようになる幼年期。
言い換えれば、
「人生において最も重要な時期」とも呼べる時期がこの幼年期になります。
幼年期前期は「全てのことを吸収する時期」

幼年期は、前項の通り、子どもが最も大きく成長・変容していく大事な時期になります。
そんな幼年期は0歳から3歳までの前期と、3歳から6歳までの後期に別れています。
前期は「無意識に全てのことを吸収する」時期で、赤ちゃんは見たものをまるで写真に撮るかのようにどんどんと取り込んでいます。
たまに「赤ちゃんの頃に見た映像をなんとなく覚えている」人もいるほど、この映像情報は強烈なものになっています。
またこの時期では、人間の最も大切で基本的な能力とされている「歩く」「手を使う」「話す」が確立する時期です。
幼年期後期は「コントロールをしていく時期」

後期はまだ未発達だった0~3歳のころに無意識のうちに吸収した膨大な情報を五感を使ってコントロールしていく時期です。
集団の中で自分を客観的に認識し、自立できるようになるのもこの時期です。
3歳を境に子どもには
「がむしゃらに手足を動かしたり発言したりするのではなく、
秩序と意味を持って整理した状態で行動をコントロールしていきたい」と言う強い衝動が生まれます。
モンテッソーリは、3歳を「知性の境界線」と呼び、「3歳を境に子どもは新しい世界に突入するのだ」と強く主張していたほどです。
幼年期後期におけるモンテッソーリ教育では、複数の指や体の動作をパズルのように組み合わせた知育を日常動作の中で実践的に行う事が推奨されています。
例えば、「服のボタンをはめる」「靴紐を結ぶ」「間違い探し絵本を読む」などがそれに当たります。
本講座においても、モンテッソーリ教育が最重要視しているこの幼年期時代の教育方法などを主に学んでいきます。
続いてのレッスンでは、6歳から12歳までの「児童期」について見ていきたいと思います。