前回のLessonでは、発達の4段階のうち、人生で必要な能力の80%が身につくとされている「幼年期」について見ていきました。
今回のLessonでは、6歳からの「児童期」について見ていきたいと思います。
児童期は比較的安定している成長期

児童期は、6歳から12歳までの小学校に通っている時期のことを指しています。
4つの成長段階の中では「比較的安定な時期」とされ、これまでと比べて膨大な量の記憶が可能になります。
勉強において「テスト」が始まるのもちょうどこの時期ですね。
また、物事の優先順位は「友達が一番」に変化していく時期でもあります。
小学校の友達と遅くまで遊んで門限を過ぎてしまい怒られた、といった経験は、誰もが一度は経験があるのではないでしょうか。
児童期には莫大な記憶が可能になる

児童期にはこれまでと比べて、莫大な記憶が可能になります。
また、この時期は「覚えたことを半永久的に忘れない」という素晴らしい時期です。
幼い頃にやっていたゲームボーイに登場するキャラクターや技の名前などを大人になっても忘れないのは、この時期に脳に焼き付いているからでしょう。
いわゆる「お受験」が始まるのもこの時期ですが、
世間で「中学受験組はとても賢い」などという話が多く出るように、
この時期に鍛えた頭は一生物になることでしょう。
また、児童期は「知性期」でもあり、抽象的な物事への感受性が上がるとされています。
「なんで空は青いの?」「どうして夜になるとみんな寝るの?」など、身の回りで起きていることへの理由を知りたがるのもこの時期です。
この時期は、世の中の文化の基礎を伝えるのに適した時期となっているのです。
「個人」から「集団」への適合も可能になる

児童期は、「個人」として自立度を高めた子どもが、「集団」でより大きな課題に取り組めるようになる時期です。
もちろん、幼稚園や保育園でも集団生活を学んでいることは間違い無いのですが、「課外学習」「班行動」「テスト」などの集団を意識せずにはいられないカリキュラムが積極化するのが児童期です。
「一人では解決できないけど、みんなで力を合わせたらできた」
料理学習や図工・家庭科などの小学校特有の授業では、そんな体験も重要視されているのです。
児童期は「理由の深堀り」を大切に

児童期におけるモンテッソーリ教育では、「なぜ?」を繰り返すことで自分の頭で考える力をつけていくことが重要です。
実際にモンテッソーリ教育を取り入れている小学校では、
「ワークタイム」と呼ばれる3時間ほどの自由時間の中で、
自ら学びたいことを深堀りしていく「時間割に縛られない学習」が推奨されています。
カリキュラムでは課外活動も多く、様々な情報に触れ合って「なぜ?」を繰り返す事こそが大事とされています。
続いては、成長段階の中でも特に不安定な時期とされている「思春期」について見ていきたいと思います。