Lesson4-4 思春期

前回のLessonでは、発達の4段階のうち小学校入学〜卒業までの時期である「児童期」が
自分で考えることを大切にしているという内容について触れました。

今回のLessonでは、「不安定な時期」とされている、思春期について見ていく事にしましょう。

思春期は「不安定な時期」

思春期は、12歳から18歳までの中学・高校に通っている時期です。

この時期は、前後の児童期、青年期と比べても特に「不安定な時期」とされ、心身ともに大きな変容を迎えます。

中学・高校の6年間は変化が激しい時期です。
これまで「友達」や「環境」などの「外」に向いていた子どもの意識が、「内側」に向いてきます。

「自分は外からどう見られているのか?」
「自分の人生、このままで良いのか?」などの
内面的な事柄がとても気になりだすのがこの時期です。 

ある程度知識を経て、なりたい「理想の自分」と「何もできない現実の自分」のギャップに深く傷つき
その行き所の無いエネルギーが、いじめや、家庭内暴力、引きこもりなどの形になって現れてしまうのもこの時期です。

しかしながらこの暗雲が立ち込めているかのような思春期も
「期」が過ぎ、青年期に入ると、青空のように澄み渡る時期がやってきます。

思春期は「子どもから大人に」移り変わる時期

思春期は、物事の考え方や行動の一挙手一投足が子どもから大人へと移り変わる大切な時期です。

この時期は、社会に貢献して認められたいと願うようになります。
また歴史に興味を持つようになる時期でもあります。

また、思春期においては「周りから浮く」ことを大きな恐怖として捉える傾向があります。

いじめられたらどうしよう、あの子に告白してうまくいかなかった時に噂が広まったらどうしよう・・・
などのネガティブなイメージが具体的に頭を過ぎり、
考え込んでしまうことはある程度仕方ないといっても良いでしょう。

今まで公共の場で大声を出して騒いでいた子どもがいきなり「他の人もいるんだし、そんなに騒いじゃダメだよ」などと言い出すのがこの時期なのです。

金銭についてもある程度の価値を理解し始めるため、「欲しいものがあるけど、我慢して来年買おう」などの具体的な計画が立てられるようにもなります。

これまでの「児童期」とは異なり、大人の持つ考えを少しずつ取り入れていく成長の時期でもあるのです。

思春期のモンテッソーリ教育は「経済的自立の練習」も兼ねる

モンテッソーリ教育を取り入れている中学校では、「職場体験をかなり長いスパンで実践的に行う」というプログラムが増えています。

実際に社会の一員として働く事で、
社会人としての自立と誇りなどの「責任感」を身に付けることが、不安定な思春期の中で自己肯定ができる環境作りだとされているのです。

「自分を表現したい!」という想いを形にするために、美術などの芸術科目も多く取り入れられているようです。

不安定な時期だからこそ、内側に溜め込まずに発散できるプログラムが大切とされています。

続いては、発達における4段階の最終段階「青年期」について見ていきたいと思います。