Lesson5-5 モンテッソーリ教育の注意すべき点

モンテッソーリ教育においては、たくさんのポジティブな力を
育む事ができる一方で、注意しなければならないリスクも存在しています。

あくまでも「悪い事」ではなく、
「こんなことにも注意しなければなりませんよ」という感覚ですが、
しっかりと理解しておきましょう。

同学年の子どもと絡む事が少ないので、協調性が薄れる可能性がある

モンテッソーリ教育では「縦割り教育」で年齢のバラバラな層が
一緒のクラスとして生活しています。

そのため、先輩後輩関係を早い段階から覚えており、
これらがのちにモンテッソーリ教育でない学校に進学した時の
「同期の友達」とコミュニケーションをとる上で少し慣れていない経験
となってしまう可能性があります。

また、モンテッソーリ教育を受けた子どもは幼い頃から「自立」している子が
多く、同世代の子どもに比べると大人びていることは間違い無いでしょう。

そのせいで始めは仲間と何かを達成するという「協調性」に
かけている部分もあるかもしれません。

しかし、子どもは順応性がとても高いので、周りに溶け込むことに
さほど時間はかからないでしょう。

無理に「みんなとあなたは違うのよ」などの言葉を投げかけてしまうと孤立していいんだと思ってしまうので、子どもへのコミュニケーションは注意しましょう。

室内で行われる科目が多いので、物足りないと感じる子も

モンテッソーリ教育に使われる教具は、基本的に屋内で遊ぶためのもので
あるため、「ずっと青空の下で走り回っていたい」と考える子どもにとっては、少し窮屈な一面もあるかもしれません。

しかしながら、もちろん1日の全てを屋内で過ごしているわけではありません。

保育園などの多くの施設では、「運動の時間」や「外遊びの時間」を能動的に作り、メリハリをつけて子どもたちを楽しませています。

「丸一日外で遊んでいる」のは少し難しいかもしれませんが、
保育園が休みの日など、子どもとのコミュニケーションでは
「今日は外に出たい?」などと子どもが足りないと感じている点を引き出し
うまくバランスをとって行くと良いでしょう。

まとめ

モンテッソーリ教育を行う上では、メリットだけに目を向けるのではなく、
注意しなければならない点についても知っておくことが重要です。

モンテッソーリ教育の特性上、「自分で考えて選択する」ことが
重視されているため、周りの子どもよりも大人びており、
最初のうちはなかなか周囲に溶け込めないこともあるでしょう。

とはいうものの、子どもは子ども。一緒に遊ぶ友達と意思を通わせ楽しむことにはとても長けているため、時間が経過すればきちんと溶け込めるようになります。

また、モンテッソーリ教育は室内で行われるため「もっと外で遊びたい!」と感じる子どももいるかもしれませんが、その際は親がバランスをとって遊ばせてあげましょう。

さて、ここまでは「モンテッソーリ教育で育まれる力」を学習してきましたが、
続いてのLessonでは、モンテッソーリの基本の考え方について解説していきます。