Lesson7-1 母子共生期は「今後の準備」が大事!

前回のLesson6では、モンテッソーリの基本の考え方について学習しました。

今回からのLesson7では、「0歳から3歳」までに注目して、それぞれの時期の特徴や行うべきモンテッソーリ教育について解説していきます。

まずは、生まれたての赤ちゃんの性質を理解するところから始めましょう。

生まれてからの8週間は非常に特別

生まれたばかりの赤ちゃんは、一体何を考えて、周りのどのような出来事に
反応するのでしょうか。

これまでお母さんの胎内で安全に快適に過ごしていた赤ちゃんは、
ある日突然お母さんの外、これまで体験したことのないような眩しさと騒音、
広い世界の中に産み落とされます。

生まれたばかりの赤ちゃんは、今までいた環境と全く違う環境に恐怖を感じ、
全身全霊をあげて助けを呼ぶため、泣き叫んでいるのです。

出産から8週間は「母子共生期」と呼ばれ、赤ちゃんとお母さんが
非常に強い絆を築くための特別な期間となっています。

何もわからない赤ちゃんを優しく抱きしめてくれる母親という特別な存在。
自分が助けを求めれば常に助けてくれる存在。

そんな母親の優しさに触れて、赤ちゃんは「外の世界はとても怖いところだと思っていたけれど、身近に助けてくれるとても優しい人がいる」という事を知り、安心するのです。

お父さんの役割も非常に大切

この「母子共生期」においては、お父さんも非常に重要な役割を担っています。

お母さんと赤ちゃんができるだけ心的にも身体的にも近くで接してあげられるように、「母子共生期を守ってあげる」事がお父さんの大きな役割です。

出産の直後は、親しい友人やお互いの家族をはじめとして、
様々な方がお祝いに駆けつけてくれる事でしょう。

しかし、出産を終えたばかりのお母さんや、まだ環境に慣れていない赤ちゃんにとっては、多くの人々と接して話すことは非常にストレスになります。

ですので、あまり長い時間面会をしないなどの気遣いを、お父さんや周囲の人が積極的にしてあげると良いでしょう。

以前に比べると、父親の「育児休暇」もかなり取りやすい環境にはなりましたが、育児休暇をとる父親に対して職場の方々も温かい目線で送り出してあげるようにしましょう。

モンテッソーリ教育は「インテリアの準備」から始めよう

モンテッソーリは「子どもは何でも自分でするという意思も能力もあるが、
できないとすればやり方がわからないか物理的にできる環境がないだけである」と述べています。

重要な母子共生期を支えるのが、インテリアの準備であり、
モンテッソーリ教育の入り口として整えられるべきものです。

ベビーベッドの頭の上をぐるぐると回る「ベビー・メリー」は
赤ちゃんの見やすいはっきりとした色で、そこまで動きが激しくなく、目が酔わないものを準備しましょう。これにより動く物への認識能力を高めていきます。

机や椅子は「汚れが目立つ色」のものを準備し、脚がぶらんぶらんと
ならないように座高の低いものを選びましょう。
汚れの跡は無意識ながらも赤ちゃんが「自分がやった行動の結果」と認識し、手だけでなく足への感触があることでより五感の情報を多く読み取ることができます。

このように、インテリアにもそれぞれの意図を組み込むことで、能力がより発達しやすい環境になります。

続いては、母子共生期を終えて、1歳になるまでのモンテッソーリ教育について
解説します。