前回のLessonでは、母子共生期について学習しましたが、
いよいよ今回のLessonからは「実践編」として0歳から1歳までの
モンテッソーリ教育について解説していきます。
まずは、この時期の赤ちゃんの特徴から学習していきましょう。
赤ちゃんは「秩序」をとても大切にする

生まれたばかりの赤ちゃんは、出会う全てのことが新しい状態です。
大人になると、「新鮮な体験はとても楽しい!」とポジティブに捉える方が多くなりますが、赤ちゃんにとっては身の回りで起こる事に対し、恐怖を大きく感じると言われています。。
まだ自分で自分の身を守るやり方がうまくわからない赤ちゃんは、
「本棚から本が落ちてきた」「ペットの犬が寄ってきた」などは、
想像をはるかに超える恐怖を感じます。
そんな時に大切にしなければならないのが、「秩序を大きく変えない」
という事です。
赤ちゃんにとっては「いつもと同じ」ことが安心であり、落ち着きなのです。
「いつもと同じ」安心感

赤ちゃんは見たものを映像で焼き付けるように記憶します。
大人でも記憶できないような「物の位置、順番、行動の方法」などを
カメラで写真を撮るように、鮮明に脳裏に焼き付けていくのです。
そして、「いつもと違う」物の置かれ方や抱っこのされ方などが行われた時に、
「これから何が起こるのかわからない」と感じてしまい、大きな声を上げて泣き叫びます。
赤ちゃんにとっては「いつもと同じことをされている」事が安心であり、
落ち着きにつながります。
親戚のおじさんに抱っこされたり、新しく布団を変えてみたり、
離乳食の味付けが少し変わったり・・・
これらのことは、良かれと思って行ったことであっても、
泣いてしまう事があるので、特に1歳までの時期においては「変化」を
起こす時は、赤ちゃんが驚かないように慎重にケアしてあげる必要があります。
「手の動き」こそ教具を選ぶポイント!

赤ちゃんにとって、最初は「見るだけの対象」であったものが、
やがて「触ってみたい対象」へと変化していきます。
ものを握れるようになったら準備したいのが、ガラガラなどの教具です。
赤ちゃんが握りやすい直径8ミリ程度で、ガラガラのように振ると音がするなどの楽しみ方もできるもの、そして「様々な材質を用意しておく」ことも赤ちゃんの脳を
大いに刺激します。
ハイハイができるようになったら、棚などに並べて、
「自分で選べる」ようにしておくと、幼いうちから比較に触れることができます。
これだけ幼い赤ちゃんであっても、「様々な刺激・楽しみ方ができる」
という面において、教具の選び方はとても大切なのです。
「0歳児の棚」で次のステップへ

「生まれたばかりの赤ちゃんに棚ですか?」という疑問が湧く方もいらっしゃると思いますが、実はモンテッソーリ教育の環境においては「棚」の存在はとても重要なものになっています。
つかまって立つことのできる棚は赤ちゃんの自立を助けるだけでなく、
棚の一番下の段に「ガラガラ」や、「ボール」などの教具を
2つおいておきましょう。
「2つおいてある」というのがポイントで、「自分で選択することを覚える」
練習になります。
これからの自立を促す上で、「自分で選ぶ」という事はとても大切になってくるのです。
続いては、1歳から2歳までの期間のモンテッソーリについて学習していきましょう。