前回のLessonでは、1歳から2歳までには「3本指を動かす事」が非常に大切だということを学習しました。
今回のLessonでは、2歳から3歳までの時期について解説します。
実は、2歳は子育てにおいてとても「苦労する」時期だと言われています。
2歳は「魔のイヤイヤ期」が訪れる時期

一般的に、子育てで初めて大きく心労すると言われている子どもの年齢は、
「2歳」です。
もちろんそれまでもたくさんの経験を経てきているのですが、
特にこの2歳はある程度言葉が喋れるようになる時期であり、
自分の感情を表に出し、とにかく「嫌だ!」と大きく泣きわめく時期なのです。
大泣きを繰り返す時の大きな3パターンとして、「自分でやりたかったのに他の人がやってしまった」「いつもと違う秩序が訪れた」「とにかく全てが嫌になってしまっている」の3つのパターンがあると言われています。
この時期に大切なのは「自分自身でできるようになる」という成功体験を
積ませてあげることです。
様々な日常生活の「練習」をさせてあげることで、自立を促しましょう。
トイレトレーニングや服を着る練習も、自立の第一歩

日常生活の些細な動作であっても、自立を促すための第一歩になります。
例えば、「トイレに自分で行けるようになる」「服を自分で着られるようになる」と言ったありふれた行動も、一人でするまでにはかなりの道のりがあります。
トイレトレーニングでは「トイレのドアは自分で開けられるか」
「便器の高さは高すぎないか」「新しいパンツを取る場所は理解しているか」
などの点に注目して、必要最低限の手助けをしてあげましょう。
服を着ることについても、「袖を通す」「ボタンをはめる」といった動作は
大人の考える以上に難易度の高い項目です。
「回す・捻る」「腕を見えない状態で一つの方向に動かす」といった
複合動作になりますので、つまづきやすいポイントの一つでもあるでしょう。
また「裏返しになっているシャツを表にする」などはかなり脳みそを使うので、
ここはあまりにうまくいっていないようであれば助けてあげることも必要です。
特に「服を着る」時はお出かけなど、時間があまりない時が多いと思いますので、
子どもがスムーズに服を着れるようになるまでトレーニングしてあげると良いかもしれません。
自宅でできる「線上歩行」で集中力を養う!

歩く事が安定してくる2歳では、必ずと言って良いほど「狭いところ」を
好んで歩いたり探検したりするようになります。
平衡感覚を磨き上げることに夢中になっているこの時期の子どもたちは、
こうした行動を通して上手に歩けるようになっていくのです。
実はこうした特性をうまく活用したモンテッソーリ教育の「お仕事」には、
線上歩行と呼ばれるものがあります。
幅が5センチ、長さ3メートル程度のテープを床に貼り付けて、
その上を歩くという練習をします。
「たったそれだけ?」と思われがちですが、この「白い線」は、
子どもにとっては自分の歩き方をコントロールし、達成感を得るための
素晴らしいお仕事の一つなのです。
魔のイヤイヤ期と呼ばれる2歳の間は、「自分で集中して何かに取り組み、
達成感を覚えさせる」ことをより強く意識しましょう。
それでは、Lesson7の最後に、コラムとして「叱り方」を取り上げます。