前回のLessonでは、魔のイヤイヤ期と呼ばれる2歳から3歳までの間は
「日常動作のトレーニング」や「線上歩行」が大切であるという事を
学習しました。
今回のコラムでは、3歳が近くなってきたときに行うべき「叱るポイント」
について解説します。
モンテッソーリ教育で子育ての予習をすると、叱る回数は格段に減る

子どもを叱る前に、まずは大人自身が「敏感期」を理解することが大切です。
特に「秩序の敏感期」と「運動の敏感期」を大人自身が理解する事で、
子どもと大人の根本的な性質の差がわかれば、
子どものした行動のその瞬間に子どもが考えていることがわかるようになり、
叱る回数は減っていきます。
特に3歳までの幼年期前期は、お母さんが自分で勉強しなければ、
なかなか子どもの行動に理由付けをするのが難しいと思います。
それでも、叱るべき場面は存在しています。
モンテッソーリ教育でも叱るべき場面はある

子どもの自立を促し尊重するモンテッソーリ教育においても、
叱らなければならない場面というのは必ず存在しています。
例えば、道路に飛び出して轢かれそうになったり、買い物でお店のものを
カバンに入れてしまうなど「危険が伴うこと」や「倫理的にしてはいけないこと」については、しっかりと子どもに教えてあげる必要があります。
モンテッソーリ教育の中には、「叱る」という概念はなく、
「真剣に教えてあげる」という事が叱る事に値するのです。
大人が真剣にならなければ、子どもも真剣にならない

ある程度自由な教育方針の中で、急に親が険しい顔をして話を始めた時、
子どもは最初は驚く事でしょう。
しかし、いつもと違う声の大きさ、顔の険しさから「これはしてはいけない事
なんだ」という真剣さを感じ取ると、ひとたび子どもは真面目に聞いてくれます。
これは「社会的参照」と呼ばれる現象で、本気で物事の是非を説いている
親に対しては、子どもも真剣に向き合うという事が知られているのです。
とは言え、一律に「これがダメ、あれがダメ」では、子どもも何故ダメに
なったのかを理解する事ができません。
また言い方も「このやり方よりも、こっちのやり方の方が良いよ」などと、
直接的な否定をするのではなく、方針を促すような注意指導の仕方をしてあげる方が、子どもにとってのストレスも少ないでしょう。
叱るときは必ず「理由」を添えて、子どもの理解を促すようにしましょう。
まとめ

Lesson7では0歳から3歳までのモンテッソーリについて学習しました。
子どもの自立を促し尊重するモンテッソーリ教育においても、
叱らなければならない場面というのは必ず存在しています。
子どもは「社会的参照」と呼ばれる現象によって、本気で物事の是非を
説いている親に対しては、子どもも真剣に向き合うという事が知られているのです。
生まれたての赤ちゃんは、お母さんと絆を築く「母子共生期」から、
秩序を大切にする敏感期、そして魔のイヤイヤ期である2歳期を経てすくすくと育っていきます。
続いてのLesson8では、3歳から6歳までのモンテッソーリ教育をテーマにして、詳しく解説していきます。