Lesson9-2 「教具」の特徴や使い方

前回のLessonでは、モンテッソーリ教育を行う家の環境を整えることの大切さや具体的な環境の整え方について学習していきました。

今回のLessonでは、お家モンテッソーリ教育で使用する「教具」の特徴や選び方や使い方などについてしっかりと学んでいきましょう。

「教具」は実験的な研究から生まれたおもちゃ

モンテッソーリの研究によると、子どもはありとあらゆるものを手に握りしめ、五感を使うことに楽しみを覚えるとされています。

それぞれの教具は、何らかのことを具体的に学ぶために作られた「狙い」があり、子どもは教具に触れ合うことで様々な感覚を養い、段階的に数字や言葉、図形などを理解していくことができるのです。

ところで、一般に「おもちゃ」と呼ばれる道具と「教具」とは一体何が異なっているのでしょうか。

「おもちゃ」と「教具」の違い

おもちゃはキャラクターなどで興味を引き、
遊びの目的が不明確である場合が多いのに対して、
教具は敏感期にあった明確な目的が設定されています。

例えば、くまのぬいぐるみの「おもちゃ」はままごとや対話、飾りで置いたり握りしめて持ち歩いたりと様々な目的で使われるのに対し、

缶におはじきや豆を入れた「教具」は、中に何が入っているかを五感を使って当てるという明確な目的が設定されています。

子どもの敏感期に合わせた「教える道具」を上手に活用することで、大人も困ることなく子どもの活動を見守ることができます。

教具の「5つの領域」

モンテッソーリ教育における教具は、大きく5つの領域に別れています。

「日常生活の練習、感覚、数、言語、文化」に分けられる教具は、土台となる日常生活の練習を基盤として、ステップアップ形式で使うことが良しとされています。

日常生活の練習では、赤ちゃんが何かを「つかむ」練習から始まり、洗濯や掃除などの日常的な活動を通じて非認知能力を育みます。

その後、
手に絵の具をつけてお絵描きをする「フィンガーペインティング」、
大きさの異なる立方体を組み合わせて大きさや比較の概念を学ぶ「ピンクタワー」、
科学の探究心を育む「卵のカラ家庭菜園」などに発展していくのです。

続いてのLessonでは、より具体的なメニューとその詳細について学んでいきましょう。