前回までのLessonでは、「敏感期」の種類について学びました。
今回のLessonでは「それぞれの敏感期で行うべき実践方法」について説明していきたいと思います。
運動の敏感期-折り紙や縫い物、遊具など

運動の敏感期で大切なことは「手をたくさん動かせる」ことです。
「折り紙を折る、切手を貼る、簡単な縫い物をしてみる」などが実践方法にあたり、この時期にたくさん手を動かして刺激を与えると良いでしょう。
お家でできることとしては、「洗濯物をたたむ」「靴ひもを結ぶ」などの
日常生活の中で自然に行われる動作を
できるだけ子どもに任せてあげるということです。
遊具を使用するのであれば、
折り紙で鶴を折ってみる、折られた鶴を分解して元の状態に戻して見るなど
「出来上がったものを分解する」といった動作を繰り返すことで、
より深い実践を行うことをお勧めしています。
感覚の敏感期-五感を育てる練習

感覚の敏感期において大切なことは、五感それぞれに対応した成長のステップを認識することです。
視覚の成長段階として、どちらのボールが大きいなどの「比較」をマスターすることが重要だと言われていますが、
比較を行うためにはまず「大きいボール」というものが一体何なのかといった概念を覚える必要があります。
その後に「どちらのボールが大きいかな」
「この3つのボールの中ではどれが一番大きいかな」
などの応用を行うことで視覚が研ぎ澄まされていくのです。
同様にして、聴覚の場合は「ドレミの音の聞き分け」、
触覚の場合は「重い・軽いと手触り」など、段階を踏んで少しずつ相対的な感覚を身につけていくのです。
言語の敏感期-「書く」「読む」の実践

言語の敏感期は、聞く→話す→書く→読む の順番で進んでいきます。
読む敏感期は書く敏感期より先に訪れそうなものですが、
運動の敏感期によって「書くこと」への強い衝動が訪れるため、
3歳ごろから書く敏感期を経て、4歳ごろに読む敏感期へと突入するのです。
書く敏感期においてはとにかく
「正しい鉛筆の持ち方を教えてあげる」こと、
「落書きしてもいいスペースやノートを用意してあげること」が大切になります。
読む敏感期においては「五十音表」「日本地図」などを壁に貼ることで、声に出して何か読み上げる対象物をたくさん用意してあげましょう。
数の敏感期-科学の探求、自然・季節の探求

数の敏感期においては、足し算や引き算などの演算を機械的に行うのではなく、日常において数字を取り入れてあげることが大切です。
例えば、子どもの歩幅を事前に測っておいて、
「ここからここまでが100メートルだよ、何歩で行けるかな」と街中を散歩するときに数字に夢中にさせてあげるのも一つです。
また、料理をするときに子どもに対し
「3分間、時間を計ってほしいな」などと、ストップウォッチを渡してあげることも「数を数えられることに対する喜び」を感じさせてあげる貴重な機会となるでしょう。
これらのように、それぞれの敏感期には学びの順番、実践例などが存在しているのです。
続いてのLessonでは、そんな敏感期における「褒める、しかる」という行為について見ていきたいと思います。