前回のLessonでは、敏感期における実践方法について学んできました。
今回のLessonでは、子どもが社会的な礼儀を身につけていく「文化と礼儀の敏感期」を中心に見ていきたいと思います。
文化と礼儀の敏感期

実は、6歳までに最後に訪れる敏感期として、「文化と礼儀の敏感期」というものがあります。
ただしこの文化と礼儀の敏感期は、「敏感期」と名付けるほど、特に何かの吸収力が向上するという時期ではありません。
これは言葉使いや倫理観などの「マナー」と呼ばれる社会性を育てていくために善悪を判断する時期なのです。
「ケンカをしてはいけない」「フォークで人をつついてはいけない」などの大切な概念を覚えていく、人格形成において重要な時期です。
この敏感期においては大人はある程度「正解」を教えてあげる必要があります。
例えば「挨拶をしようね」「くしゃみは人に向けてしてはいけないよ」などといったマナーを、きちんと理由をつけて教えてあげることが大切なのです。
以上で敏感期のついての内容は全てとなります。
子どもの時期ごとの敏感期について知っておくことで、
どのように教育していくべきか方向性を見つけることができますので、ぜひ活用していきましょう。
子育てにおける「禁句」

次は、ついつい口にしてしまいがちですが悪影響をもたらすとされている「禁句」をいくつか取り上げてなぜダメなのか解説していきます。
・理由のない「ダメでしょ!」
一方的に禁止を押し付けるこの言葉は、ただ子どもの行動の道を制限するだけになってしまいます。
「机の上に座ったらダメ」と言われても、なんで座ってはいけないのかを理解することができません。
きちんと「机はみんなが食事をするところだから、綺麗に保たなくてはいけないんだよ。だから椅子に座ろうね」と、間違いを正す時は理由付けや正解となる行動を教えてあげることが大切です。
・「お母さんが言った通りでしょ!」
この言葉も使ってしまいがちですが、子どもの自己肯定感を失わせてしまうきっかけになる危険な言葉です。
この言葉を投げかけられてしまうと子どもは「自分は何もできないんだ」と思ってしまい考えることを辞めてしまうので、避けた方が良い一言です。
・「他の友達はみんなできるのに」
この言葉は、強い比較により子どもに劣等感を覚えさせてしまう危険な言葉です。
逆に「他の友達はみんなできないのにすごいね」という言葉も、一見子どもの自己肯定感を育てているように思えますが、他の子どもを見下してしまうきっかけにもなるので、比較をすること自体があまり良いことではありません。
成し遂げた物事そのものに対して褒めたり、できなかったのであればその物事だけに集中して一緒に考え、答えを出すような導きが必要です。
まとめ

以上、Lesson2では、「子どもとは?」という部分を、子どもの特性や敏感期に注目して学んできました。
熱心な探求家である子どもに対しては、
先回りして子どもの行動を指示するのではなく、あくまでも子どもの主体性を生かすように見守ることが大切です。
訪れるそれぞれの敏感期の中では、子どもはとにかく手を動かしたり数を数えたりと、何かを吸収しようと懸命に模索しています。
そんな子どもに「ダメでしょ」などの理由のない否定ばかりをしてしまうと、芽を摘んでしまうことになりかねないので注意が必要です。
続いてのLesson3では、「子どもの権利」という面について学んでいきたいと思います。